埼玉との紅い糸?
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芸名が『さいたまんぞう』、歌が『なぜか埼玉』。多くのみなさんが憶えていてくださるおかげか、芸能人として立派に生き延びております。その方々の中でも私が岡山県出身であることはご存じない方が多いと思います。そのため、私が岡山県出身であることがわかると、みなさんよく「詐欺だ!」と言われます。

ではなぜ、埼玉県出身でもない私が『なぜか埼玉』を歌ったのかという疑問を持たれることでしょう。実は『なぜか埼玉』は、バンドの先輩が「演歌のこぶしがつけられない奴に歌わせる」という制作意図で作ったもので、当時青春歌謡しか知らなかった私に白羽の矢がブスリ…というわけだったのです。

自費出版(といっても命令されて歌ったもので、歌いたくて歌ったわけではないので、私は1円の金も出していない)のレコードが、埼玉県各地でのキャンペーンを開始して4カ月後、ラッキーにもあのフォーライフ・レコードから全国発売されたのでした。


 


ところで、それから約2年後、審判の仕事で埼玉県和光市のグランドへ向かう途中に大発見をすることになります。東武東上線成増駅からのバスの中、朝早いこともあってウトウトしている耳に「ごぼう、ごぼう」の声が、思わず立ち上がって「ハイッ!」。気がつくとほかの乗客が笑っています。実は、停留所の名前が「牛房(ごぼう)」で私の名字と同じだったのでした。声はそのアナウンスだったのです。

生まれも育ちも岡山県、埼玉に親戚がいるわけでもなく、先祖が埼玉県なんて聞いたこともありません。縁もゆかりもなかった埼玉県和光市に牛房があったのです。なんとも不思議な埼玉県との縁、『なぜか埼玉』は、やはり私とは運命的な出会いだったわけです。

     
 
     

(C)saitamanzoh 2000